本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

野球は神話だ「あるキング」(伊坂幸太郎)

それじゃ伊坂でも読もうかってことで。 いやもともと喰わず嫌いで(初読のアヒ鴨が自分に合わなかったのもあって)、伊坂が敬遠していたんだけど、ここんとこ結構読んでいるんだよね。「ゴールデンスランバー」「死神の精度」「陽気なギャングシリーズ」「重…

まさかのこのミス一位!「フォア・フォーズの素数」(竹本健治)

竹本さんについて。 まあほとんど読まれていない作家さんに竹本健治がいる。僕の読書友人でも読んでいる人はほんとに少ないのである。 たしかに作品は一般的に駄目なラインだし マニアックすぎるし すぐ黒くなるし それだけでは飽き足らずグロになるし 血は…

すごいぞフビライ「フビライ・ハーンの言霊」(大川隆法)

何を血迷ったか幸○の科学出版の本を読んでみた。 いや、どうしたらこれで信じられるんだろう。 どうしたらこれで宗教心がでるんだろう。 どうしたらこれで一個ウン十万の壺が買えるんだろう。 すげーぜ、科学。 まあ、本の紹介を。 『フビライ・ハーンの言霊…

誘拐物です「リスの窒息」(石持浅海)

「お前の爺さんを誘拐した。返してほしければ3000万円用意しろ」 「え!爺さんですか。ありがとうございます。なにせあいつときたら認知症で毎回徘徊、家族はそのたび大捜索。さらにはぼけたフリをして孫のハダカを除くという狼藉。そのくせしわい屋で御…

みすてりーらんど「野球の国のアリス」(北村薫)

世の中には羊頭狗肉という良い言葉がある。 見た目は良いが中身空っぽという意味です。別名、板野知美とも言う。あるいは角川映画とも言う。あるいはチャーリーシーンとも言う(すべて悪口です、念の為)。さらには平成帝京大学とも言う(念の為もう一度言う…

作家ランキング「ランキングの罠」(田村秀)

極私的ロクランキング(エロ編) 女性だけど私生活もエロい作家ランキング 5位 金原ひとみ 4位 山田詠美 3位 中村うさぎ 2位 宮木あや子 1位 斉藤綾子 斉藤綾子はほんとにエロくて困ってしまう。1位が気になった方は「愛より早く」「スタミナ」を読むべ…

カップル四景「ロード・キル」(J・ケッチャム)

昨日、ガストにいたカップル 男・・・この寒いのに半袖。しかもかなり太っている。髪型は落合の息子みたいな感じ。 女・・・眼鏡かわいい女子。時東ぁみみたいな感じ。アニメ声。 二人で必死になって、PSPをやっていた。たぶんやっているのはモンハン。 …

ニッチなところを埋める本です「新本格もどき」(霧舎巧)

「さあて憑き物落しをするか」そういうとすっくと立ち上がって自慢のシルクハットを彼は直し始めた。お寺の次男坊でもある彼はビールをぐびぐびと飲みながら犯人に対峙する。N大工学部の助教授でもある彼は前職では英都大学助教授でもあった。見た目は30…

定番だけど好き「マンゴー・レイン」(馳星周)

授業中の一コマ。 けっこうかわいい女子生徒が一言。 「先生、あたしヒニンしてないんです」 ええ、お前なにを言いだすの?ってか授業中にいきなりそんな相談?ってかお前中学生だろ?ダメだ不純異性交遊は?いや今の時代にそれは古いか。。。でもヒニンはし…

タイムスリップには甘目です「つばき、時跳び」(梶尾真治)

僕はどうもタイムスリップものに弱いんです。 ハインラインの「夏への扉」も大好きだしマシスンの「ある日どこかで」もいい。日本なら北村の「スキップ」も好きだし、荻原浩の「僕たちの戦争」も大好きだ。戦国自衛隊なんか何度見てもなくし、ドラえもんでは…

昭和な作品が好きです「駿河城御前試合」(南條範夫)

駿河城御前試合 (徳間文庫) 作者: 南條範夫 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2005/10 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 133回 この商品を含むブログ (132件) を見る あまり新刊を読みません。アウト・オブ・デイト。すいませんねえ。 まあ新刊を読ま…

げーむの楽しさ「盤上の夜」(宮内悠介)

頭を使うゲームが好きだ。 将棋は子供のころからやっていた。好きな戦法は中飛車。でもヘボですぐ守りがおざなりになる。未だに下手の横好きで守れずに爆死ってことが多い。たまに穴熊をやろうとすると完成する前に攻められてしまうというヘボ加減だ。 自慢…

文学史でも説明は難しい「1973年のピンボール」(村上春樹)

文学史の授業をしています。古今東西の名作?を説明。約一時間で明治から現代まで。 あまり真面目にやっても面白くないんで一応軽く物語説明しているんだけど・・・ 「次は夏目漱石の『こころ』ね。これ下宿先の女の子を二人の男が取り合い負けた奴が自殺し…

音楽は恩寵だ「ミュージック・ブレス・ユー」(津村記久子)

「音楽について考えることは自分の人生についてかんがえるより大事だと思う」 僕は音楽について語ることに対しある種の気恥ずかしさがある。それは本について語ることもそうなのだが、自分の性行為を見られてしまっているような気恥しさであると思う(平気で…

桃太郎いろいろ「王様の背中」(内田百閒)

村上春樹的桃太郎 桃から生まれた桃太郎。彼はなぜ鬼を退治しに行くかわからない。でも仕方ない、それが桃太郎だからと思い、面倒だなと思いながら鬼が島に行く。 途中、犬や猿、雉がお供になるが「まあ仕方ないか、パスタでも食べる?」そう聞いて桃太郎は…

ミステリ覚書「本格ミステリ01」

ミステリ好きもマニアになると細部にこだわる。ええ?面白ければいいじゃない・・・いやいやそうはいかないんですよ。ついついこだわりが面白さを越えていたり。面白くないけどこのこだわりが素晴らしい・・・なんて本末転倒な感想も。『本格ミステリ01』…

お酒は少しで「飲めば都」(北村薫)

お酒の本というといろいろあるよね。どの本もお酒を実に美味しそうに飲んでいる。なるほどっそうやって飲むのかとしみじみ。あまり飲めない自分には羨ましくなってしまうなぁ。 漫画だと最近一押しの「ワカコ酒」やラズウェル細木の「酒の細道」。そうそう二…

大人のモーテルに泊まる「公楽園」

新潟では三条にある怪しげなモーテルに泊まります。 駅から徒歩35分。 見事になんもねえよ。。。ここが砂漠ならアメリカのネバダだ。 そしてここに宿泊。 どうです。アメリカのロードムービーにでてきそうな。そうヴェンダースやデビッド・リンチの映画に出…

不味いラーメンは不味いんです「伏 贋作・里見八犬伝」(桜庭一樹)

ラーメン屋しか食べ物屋のない村の話し。 そこのラーメンはとっても不味い。しかも主人は不味いことを知っている。でも客はくるしお金も入るのでとりあえず不味くてもいいやって思い日々、不味いラーメンを量産している。 主人は考え方も変わっていて「俺の…

詩人は怖い「求愛瞳孔反射」「にょっ記」(穂村弘)

世の中にはどうしても理解できない人がいる。 なんでこんな思考思いつくんだろう、なぜこのようなことを考えるんだろう、そんな人種が存在するのだ。 そしてそれとは「詩人」であり「歌人」である。 いや小説家はまだわかるんだよね。ああこう思いついたかす…

優しいホラー「草祭」(恒川光太郎)

僕はホラーが好きです(まあ今更言うまでもないけど)。 小説は言うに及ばず、映画なんかも大好き。だいたい中学生のころ初めて一人で見に行った最初の映画は「エルム街の悪夢」だからね。ホラー歴30年以上です。年期入ってますよ。 でもね ホラーと一言で…

昭和的なブンガクとして「嘘はほんのり赤い」(片岡義男)

実に20年ぶり(だと思う)に片岡義男を読んでみた。 そうあのバブルの時に一世を風靡した、バイク、コーヒー、セミロングの片岡である。当時、片岡義男的ストーリーに憧れ、男の格好よさ、女の可愛さとはこんなもんだといかにもステレオタイプに影響をうけ…

なんて躾いい子、いいケツしてんな「喜劇悲喜劇」(泡坂妻夫)

昭和にいたトリックメイカーは二人だと思っている。 真っ当なトリックメイカーは鮎川哲也。彼は本当に真っ向勝負のトリックを作っていた(追悼)。 そして 真っ当でないトリックメイカーと言えば・・・ 泡坂妻夫である。 とんでもない飛び道具の嵐。泡坂はつ…

バブルの頃だから意味があった「ナチュラル・ウーマン」(松浦英理子)

白いってことはなかなか「普遍的」ではないと思ってます。 いや時代に、文化に、雰囲気に・・・それぞれ面白いは変遷していく。いつの時代でも通用する面白さってのはないのではなんて思っているんですよ。 例えば僕はお笑い好きですけど、今見ると当時あれ…

かぢいくんのこと「檸檬」(梶井基次郎)

かぢいくんは散歩が大好きです。とにかくそこらへんをづいづい歩きます。 「檸檬」では京都を 「城のある町」では松坂を 「泥濘」では東京を 「路上」では散歩して転ぶまで づいづいづいづいづいづいづい 散歩しかすることがないみたいです。有吉散歩に出れ…

今ならすぐたたかれそう「文士と姦通」(川西政明)

僕はサークルでの恋愛と職場内の恋愛が苦手です。あれ、困りません?ああ、この人前付き合っていたのに別れたんだ。どうしよう。どう接したらいいだろう。いやこっちは呼んでこっちは呼ばない・・・いやそれも変だし。っていうか前は違う人と付き合っていた…

ひどい本三連発「クリスマス・テロル」(佐藤友哉)「殺人鬼教室BAD」(倉阪鬼一郎)「墜落遺体」(飯塚訓)

ここんとこ酷い本ばかり読んでいる。 まあ酷い本を読むのは今に始まったものではないけれどさ。 まず佐藤友哉 『クリスマス・テロル』 自殺志願者の少女が島に流されてそこで男に助けられる。男は27歳。そして島には記憶を無くしてしまうもうひとりの少女、…

ここぞとこきおろし「作家の値うち」(福田和也)

いや批評家ってのはつくづく凄まじいよねえって話しですよ。 まず、世の中の本をこれでもかで読まなければいけない。ここまではわかるわかるぜ。で問題はそこから。それだけ読んで文壇にもある程度自分の立ち位置ができるということは作家の先生と仲良くなる…

ぐっちょんばっこん「悪の教典」(貴志祐介)

キター!!!!!!!!! 人間が書けてなくたっていいじゃないか。 展開がありきたりだっていいじゃないか。 漫画みたいな造詣だっていいじゃないか。 出てくる人物が「こんなやついねえよ」だっていいじゃないか。 もうね、怒涛の展開に脳髄でっぱなし、い…

狡いなぁ「赤い夢の迷宮」(勇嶺薫)

ええっとですねえ、 例えば普段ガングロ、化粧も決めてばっちりメイク。しかもスマホはデコレーション。話す言葉も語尾があがる感じ。でもなぜかテストは高得点。学年のトップクラス。実はいつもさりげなく勉強は一日3時間はやっている。 ずりい・・・ ある…