本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

古典的二次創作「たけくらべ」(樋口一葉 川上未映子訳)

『たけくらべ』樋口一葉 川上未映子訳 悪くない、のである。 もともと僕はうねうねする文体に弱い。うねうね文を読むとなんだかあやしゅうこそものぐるほしき気がしてああ、これはいいなあ、読む麻薬だなぁ、いってしまうなぁとおもいくけけけけとなる。 そ…

ミステリマニア「耳をふさいで夜を走る」(石持浅海)

マニアは奥が深いんです。 例えば鉄道マニアだと電車見てはふーと言っているような状況をイメージするかもしれませんが、実態は多ジャンル。乗り鉄は乗るのが好き、撮り鉄は写真を撮るためのマニアであまり列車に乗らない、時刻表鉄はとにかく常日頃から時刻…

通勤電車あるある「昼のセント酒」(久住昌之)

降車駅近くで読み終わりそうだとホームでとりあえずラストまで読む。 あと50ページで家についた場合は翌朝もっていくと確実に読み終わってしまうので家で最後まで読む。 表紙は見られないように読書カバーをする。とくに講談社の場合は「あら、あの人あん…

貧乏です「藤澤清造短編集」(西村賢太編)

貧乏暇なし・・・的を射た言葉だな。いやほんと。根が貧乏症なんでどうもケチケチすることも多いです。 でもホントはそんなケチケチしなくても「大きなお金」を使うときにしっかり考えればいいだけなんだけどね。山田先生も言っているようにお金が溜まらない…

一度で三人会話ができる「ドウェットホン」

地味な感じだけど嬉しい珍スポです。 武蔵小杉に降りたちます。今回の目当てはこちら。 いや、外側ではないですよ。中をよーく見てください。 わかりました?受話器が二個ついている。その名もドウェットホン。一度に二人で相手と会話できるんです。 もう、…

女性作家と男性作家「憧憬☆カトマンズ」(宮木あや子)

二分法は結構穿ったときもあるんだけど・・・ 男性作家は左脳で、女性作家は右脳な感じがしませんか? 例えばミステリでいうところの圧倒的なパズラーは男性作家が多い。女性作家と言われると海外ならクリスティがいるけど日本はちょっと思いつかない。現在…

ノンフィクションはドキドキするね「黒い看護婦」(森功)「子供を殺してくださいという親たち」(押川剛)「ケモノの城」(誉田哲也)

怖い物みたさっていう面で一番怖いのはノンフィクションだと思います。なにー、こんなこと実際にあるんだって思うとそれだけでもやもやもやもや。ああ僕はまだ「まし」な世の中にいるなぁと思ったりして。 ノンフィクションというと新潮文庫の独壇場。正直ど…

もじもじもじもじ「三四郎」夏目漱石

昨今の男子が草食系だとお嘆きの貴兄に送る。 夏目漱石『三四郎』 ああ、もじもじもじもじ。 そもそも発端からしてもじもじだ。三四郎は田舎から東京の大学に上京するのだが列車の関係で相席の女性(きっと小股の切れ上がったいい女だよ)と旅館で一晩を共に…

ミステリはろくでもないから面白い「キララ、探偵す」(竹本健治)「六とん4」(蘇部健一)「左90度黒の三角」(矢野竜王)

ミステリ読みの皆さんに質問。 ミステリってハズレ多くありません? 良くこんな文章で小説書くなとか 良くこんな最後までダルなラインで小説書くなとか 良くこんな陳腐な会話で小説書くなとか 良くこんな内容のないラストだけの本で小説書くなとか 良くこん…

これは笑ってしまった「カエルの楽園」百田尚樹

これは奇書だわ。 『カエルの楽園』百田尚樹 いや笑った笑った。いろんなとこでツッコミどこ満載なんだけど何がいいって百田がこれでもかこれでもかと私憤満載で書いているのがいい。現代の警鐘とか未来の予言とか右とか左とかどうでもいいんだけどまずこの…

無秩序な蛍光灯「清澄白河駅」

清澄白河の駅に降り立つ。 いやなんてことのない地下鉄なんだけど・・・・ってあまーーーーーーい(スピードワゴン風に)。 これを見よ! この無秩序な蛍光灯。なんだこれはと言いたくなってしまう無秩序っぷり。 みんな普通に使っているから余計違和感があ…

国語というファッショ

国語は好きけど国語教師の了見の狭さが嫌いだ。 とくに「これはこういう読みです」という読みしか認めない人ね。そんな人に限って教科書ガイドべったりだったりするんだよ。それ国語でなくてただの狭い感覚でないのかい。 例えば国語教科書で有名な太宰治の…

役に立たないから面白い「檀蜜日記」(檀蜜)

なんの栄養もないような食べ物が好きだ。 寒天とか蕨餅。あるいは杏仁豆腐。野菜なら茄子のあのふよふよ感。コンニャクのあの主張のなさも好き。 ビタミンCがー、カロチンがー、アミノ酸がーと言っている横で小さくなりながら「僕らは何も栄養なんかないん…

題名が悪い?「女囮捜査官 聴覚」「女囮捜査官 味覚」(山田正紀)

名前で損をしているってありません? 大学だとやたら長い名前はFランの感じがするなぁ。 一番は東京農工大。なんか土の匂いが。国立なんだけど。あとは東京工業大もそんな感じがしてやまない。あとはどこだろ。京都工芸繊維大学。これも国立なんだよな。 芸…

ミステリマニア度チェック「女王国の城」(有栖川有栖)

・読者への挑戦があるとテンションが上がる ・好きな名探偵がいる ・ついつい本文で時間が書いてあるとメモしてしまう ・部屋の見取り図は欠かせないと思っている ・同様に人物紹介ページも欠かせないと思っている ・結論の直前では一回、本を閉じて自分でも…

生徒用ブックガイドを作ってみたよ

先日の父母面談。生徒の母から「本を讀めって言うけどなかなかどんな本がいいかわからないんですよ」 そうだよね、世の大人は本を讀めって言うけど、きまって読ませようとする本は漱石に芥川。読めといっている大人だって読んでない感じがぷんぷん。 という…

これは奇書だわ「語り手の事情」(酒見賢一)

この本凄いんだけどあまりみなさん読んでくれないなぁって本は有りませんか。 いや凄いんだよとにかく惹きこまれるんだよもうくらくらするんだよそのままくけけけけけって成るんだよって感じなのに周りにはまず人気のない本。 ましてや作者を言っても誰それ…

とにかく考えてしまいます「犯罪」(フェルディナント・フォン・シーラッハ)

静かな物語です。 これは凄いなぁ。僕は熱狂的な物語も好きだが(物語の温度ってのはあると思う)、その一方で静かに語る物語も好きだ。 まず、全てが断片として語られそしてその断片のそれぞれに無駄がない。この物語には夾雑物がないからこそ純粋な結晶が…

猫好きにはたまらない「田代島」

石巻からフェリーで45分。そこには猫の楽園がある。 田代島。 島民より猫のが多いとのこと。行って見なくては。まずはフェリーに乗船。 島に降りると早速猫が。 ここにも猫が。 ここでも猫が。 そこにもそこにもあそこにも。 猫好きにはたまらない感じの島…

鬱度がすごい「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平)

今更ながら「ウシジマくん」です。 あのねー、人間って「こうなりたい」ってものに憧れるんだけど、「こうはなりたくない」ってものを見たくなる一面もあるんですよ。 で この本は明らかに「こうはなりたくない」。 いやーなところをついてくるのが絶妙なん…

未知との遭遇「UFOふれあい館」

福島駅からバスの乗り山の中に。 飯野町には千貫森という森がある。そしてそこではいくつものUFOが目撃されているという。 さあ未知との遭遇へ。 けっこう傾斜の険しい山を登りえっちらおっちら、途中グレイも案内してくれる。 しかし坂が険しい。キッツ…

もやしもんだけではないぞ「人斬り竜馬」(石川雅之)

まず突き放し方が尋常でない。 いや、漫画ってのは起承転結があって(というのをフクちゃんで教わったが)最後にがしっかりとオチがあると。 でもこれは違うんだよねえ。まず竜馬が「悪役」なのがいい。そして竜馬の理屈、佐幕派の理屈、新撰組の理屈、それ…

温泉は妖しい香り「やわらぎ観音」

福島は三春に。当然桜なんかは見ない(季節でないしね)。 歩くと謎な温泉施設がある。 ここ! やわらぎ観音。 観音様がかなりぼんくら顔で素敵である。聞くとこによると温泉を掘削していたら出てきた岩がかなり観音様に似ていたのでこの観音を作ったらしい…

福島で富士山をみた「私設富士山」

いわきから乗り換えて磐越東線へ(この路線は薄いので時間がかかるのが難点だ)。 要田という無人駅で降りる。 駅前なにもねーよ。 てくてくてくてくてくてく。てくてくてくてくてくてく。とにかく歩くとこにはあった。 ふじさーん!!! 個人邸の庭に巨大な…

いわきに行って来た「喫茶ブルボン」

福島県いわきに降りたつ。 ここには喫茶ブルボンがある(いや「あった」というべきだろうか)。いわきのガウディがここには住んでいたのだ。 そう、過去形。今は鬼籍に入っている。うーむ、遅かりし由良の助。噂だと喫茶ブルボンも閉まっているらしいが・・…

はじめまして

はじめまして。 教育のこと、本のことなどブログとして書いていけたらと思います。 まあ大して有用なことは書かないんで気楽に気楽に。所謂備忘録とおんなじですので。 ただしたまに辛口でいきますんでそこんとこヨロシク(歳がばれるな。。。) といいつつ…