本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆるやかな日記がたまらない「東京日記 卵一個ぶんのお祝い」(川上弘美)

九月某日 晴 電車の中で謎の会話。 「覚せい剤ってのはそんなに悪いものなのかね」 「そりゃー悪いよ、法律で禁止されているし」 「でもさ、誰が酷い目になるってわけでもないし」 「それを言ったら売春だってそうじゃないか。あっちは気持ち良くなるんだぜ…

年とっても元気いっぱい「こぐこぐ自転車」(伊藤礼)

「いい年なんだから」 この言葉でちょっと損している気がしませんか。 なんか年とるとあれやったら恥ずかしい、これやっちゃいけないってなるんだけど、ホントはそんなの関係ないんじゃないのとも最近思うんですよ。 逆に何歳でも好きなことやっていられる人…

中学生に読ませたい!「王妃の帰還」(柚木麻子)

いろいろと困難を乗り越えるからこそ子供は成長するんです。 と言うのが僕の感想。 あまり親や周りの大人がレールを引いてあげると良くないかなと。それよりは困難を失敗してもいいから「自分」で立ち向かうといいのかなと思います。大人はあくまで「ほんと…

カッパドキアも埼玉にあります「吉見百穴」

日本にあるカッパドキアに行ってきた。 東松山へ。ここはカッパドキアならぬ吉見百穴があります。ちなみに相方に「よしみひゃくあな」に行くんだと言ったら「ひゃっけつだよ。馬鹿ね」と言われました。ついたらアナウンスで「ひゃくあな」って言っているよ。…

台湾に行って来た、電車で「聖天宮」

ここは台湾である。 嘘です。ちなみに行ったのは埼玉。あの東京の植民地です(って麻耶が言っていたぞ)。 というわけで謎の台湾物件は・・・ 聖天宮 と言います。なぜか埼玉は若葉に日本一大きい台湾式神社があります。 中に入ると・・・ けっこう豪華。な…

蒲田に巨大怪獣現る「タイヤ公園」

蒲田では京浜東北線の車窓からこの怪獣を見ることができる。 此処は蒲田にあるタイヤ公園。とにかくサイズが大きい。タイヤで作ったものではぼくは一番かなと思う。 軽い大仏なんか抜かれるレベル。どうですか、お客さん。他にもいろいろとタイヤで出来てい…

巨大空間マンション「河原町団地」

なんだこの巨大空間は? ここは川崎にある河原町団地。 謎な巨大空間マンションです。 前方斜めに各部屋がある・・・これ反対側もあるんで自然とマンションの中は 謎の巨大な大空間ができるんです。ちょっとこの広さはSFチック。そんな空間に住民の自転車…

パニックになる「滅びの笛」(西村寿行)

最近地震が凄い。 この間も生徒を教えていたらゴゴゴゴゴ。なんだこれーって思っているとだだだだ。すわ、天変地異か。 ああこのまま地震が起きて全ての建物が倒壊するのか 地割れが起きてそこにはまり込んでしまうのか 動物たちは狂気をなしてその波に飲み…

ドイツミステリを讀んでみる「コリーニ事件」(フェルディナント・フォン・シーラッハ)

ドイツミステリというものがある。半可通(あまり知らないくせに)の僕があえてドイツミステリの特徴を言えば 夾雑物がない なんてことが言えるのかなと思う。犯罪に対し、ストレートに受け入れる。それ以外の「装飾物」を伴わない。あくまでも「事件」だけ…

亀有駅が凄いことに「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治)

亀有駅が大変なことになっている。 そう、ついにあの長期漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治)が連載終了。そこで亀有駅をこち亀がジャックしてしまったのだ。 階段も凄まじい。 さらに降りるとこもこんな感じ。 壁にはいろんなこち亀広告が。 エ…

ミステリ好きだけがこのむ本「十三回忌」(小島正樹)

本格ミステリ好きに贈る。 まあ、僕の親しい本好きの方でも「本格ミステリ」好きってのはほんと少ない。もともと少ないパイだから当たり前なんだけどね。 海外ミステリ好きの方はけっこう多いし「ミステリ」好きの方も多い。 でも 本格ミステリ好きは少ない…

東京エレジー「東京人のしきたり」(大野益弘)「終点のあの子」(柚木麻子)

東京っていっても西東京と東東京はけっこう違うような気がする。 僕は生まれも育ちも東東京(しかも浅草は吉原という見事な環境の悪さ)。ここらへんは所謂「東京人」ってよりは「江戸っ子」なラインではないかと思っている。 ちなみに江戸っ子の認定は 三代…

香港が川崎にある「ウェアハウス川崎店」

香港に行って来た。 実はここ、川崎にあるゲームセンター。作り込みすぎだろとツッコミたくなります。 外観から異様。 そして入口。怪しい。 とにかく中の作り込み度が高いです。 エスカレーターだってこの作り込み。 中は九龍城をイメージしているそうです…

懐かしさで涙が出る「ゲーム展」

半年ぐらい前の話し。 西川口に降りたつ。 昔は風俗街として一世風靡をしたこの街もすっかりさびれてしまった。お上はロクなことをしない。 それはさておき 今回の目的はそこではない。今回はskipシティ埼玉に赴こうというわけだ。 てくてく10分。 着いた…

古典的二次創作「たけくらべ」(樋口一葉 川上未映子訳)

『たけくらべ』樋口一葉 川上未映子訳 悪くない、のである。 もともと僕はうねうねする文体に弱い。うねうね文を読むとなんだかあやしゅうこそものぐるほしき気がしてああ、これはいいなあ、読む麻薬だなぁ、いってしまうなぁとおもいくけけけけとなる。 そ…

ミステリマニア「耳をふさいで夜を走る」(石持浅海)

マニアは奥が深いんです。 例えば鉄道マニアだと電車見てはふーと言っているような状況をイメージするかもしれませんが、実態は多ジャンル。乗り鉄は乗るのが好き、撮り鉄は写真を撮るためのマニアであまり列車に乗らない、時刻表鉄はとにかく常日頃から時刻…

通勤電車あるある「昼のセント酒」(久住昌之)

降車駅近くで読み終わりそうだとホームでとりあえずラストまで読む。 あと50ページで家についた場合は翌朝もっていくと確実に読み終わってしまうので家で最後まで読む。 表紙は見られないように読書カバーをする。とくに講談社の場合は「あら、あの人あん…

貧乏です「藤澤清造短編集」(西村賢太編)

貧乏暇なし・・・的を射た言葉だな。いやほんと。根が貧乏症なんでどうもケチケチすることも多いです。 でもホントはそんなケチケチしなくても「大きなお金」を使うときにしっかり考えればいいだけなんだけどね。山田先生も言っているようにお金が溜まらない…

一度で三人会話ができる「ドウェットホン」

地味な感じだけど嬉しい珍スポです。 武蔵小杉に降りたちます。今回の目当てはこちら。 いや、外側ではないですよ。中をよーく見てください。 わかりました?受話器が二個ついている。その名もドウェットホン。一度に二人で相手と会話できるんです。 もう、…

女性作家と男性作家「憧憬☆カトマンズ」(宮木あや子)

二分法は結構穿ったときもあるんだけど・・・ 男性作家は左脳で、女性作家は右脳な感じがしませんか? 例えばミステリでいうところの圧倒的なパズラーは男性作家が多い。女性作家と言われると海外ならクリスティがいるけど日本はちょっと思いつかない。現在…

ノンフィクションはドキドキするね「黒い看護婦」(森功)「子供を殺してくださいという親たち」(押川剛)「ケモノの城」(誉田哲也)

怖い物みたさっていう面で一番怖いのはノンフィクションだと思います。なにー、こんなこと実際にあるんだって思うとそれだけでもやもやもやもや。ああ僕はまだ「まし」な世の中にいるなぁと思ったりして。 ノンフィクションというと新潮文庫の独壇場。正直ど…

もじもじもじもじ「三四郎」夏目漱石

昨今の男子が草食系だとお嘆きの貴兄に送る。 夏目漱石『三四郎』 ああ、もじもじもじもじ。 そもそも発端からしてもじもじだ。三四郎は田舎から東京の大学に上京するのだが列車の関係で相席の女性(きっと小股の切れ上がったいい女だよ)と旅館で一晩を共に…

ミステリはろくでもないから面白い「キララ、探偵す」(竹本健治)「六とん4」(蘇部健一)「左90度黒の三角」(矢野竜王)

ミステリ読みの皆さんに質問。 ミステリってハズレ多くありません? 良くこんな文章で小説書くなとか 良くこんな最後までダルなラインで小説書くなとか 良くこんな陳腐な会話で小説書くなとか 良くこんな内容のないラストだけの本で小説書くなとか 良くこん…

これは笑ってしまった「カエルの楽園」百田尚樹

これは奇書だわ。 『カエルの楽園』百田尚樹 いや笑った笑った。いろんなとこでツッコミどこ満載なんだけど何がいいって百田がこれでもかこれでもかと私憤満載で書いているのがいい。現代の警鐘とか未来の予言とか右とか左とかどうでもいいんだけどまずこの…

無秩序な蛍光灯「清澄白河駅」

清澄白河の駅に降り立つ。 いやなんてことのない地下鉄なんだけど・・・・ってあまーーーーーーい(スピードワゴン風に)。 これを見よ! この無秩序な蛍光灯。なんだこれはと言いたくなってしまう無秩序っぷり。 みんな普通に使っているから余計違和感があ…

国語というファッショ

国語は好きけど国語教師の了見の狭さが嫌いだ。 とくに「これはこういう読みです」という読みしか認めない人ね。そんな人に限って教科書ガイドべったりだったりするんだよ。それ国語でなくてただの狭い感覚でないのかい。 例えば国語教科書で有名な太宰治の…

役に立たないから面白い「檀蜜日記」(檀蜜)

なんの栄養もないような食べ物が好きだ。 寒天とか蕨餅。あるいは杏仁豆腐。野菜なら茄子のあのふよふよ感。コンニャクのあの主張のなさも好き。 ビタミンCがー、カロチンがー、アミノ酸がーと言っている横で小さくなりながら「僕らは何も栄養なんかないん…

題名が悪い?「女囮捜査官 聴覚」「女囮捜査官 味覚」(山田正紀)

名前で損をしているってありません? 大学だとやたら長い名前はFランの感じがするなぁ。 一番は東京農工大。なんか土の匂いが。国立なんだけど。あとは東京工業大もそんな感じがしてやまない。あとはどこだろ。京都工芸繊維大学。これも国立なんだよな。 芸…

ミステリマニア度チェック「女王国の城」(有栖川有栖)

・読者への挑戦があるとテンションが上がる ・好きな名探偵がいる ・ついつい本文で時間が書いてあるとメモしてしまう ・部屋の見取り図は欠かせないと思っている ・同様に人物紹介ページも欠かせないと思っている ・結論の直前では一回、本を閉じて自分でも…

生徒用ブックガイドを作ってみたよ

先日の父母面談。生徒の母から「本を讀めって言うけどなかなかどんな本がいいかわからないんですよ」 そうだよね、世の大人は本を讀めって言うけど、きまって読ませようとする本は漱石に芥川。読めといっている大人だって読んでない感じがぷんぷん。 という…