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本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

げーむの楽しさ「盤上の夜」(宮内悠介)

本を讀んだよ ま行

頭を使うゲームが好きだ。

将棋は子供のころからやっていた。好きな戦法は中飛車。でもヘボですぐ守りがおざなりになる。未だに下手の横好きで守れずに爆死ってことが多い。たまに穴熊をやろうとすると完成する前に攻められてしまうというヘボ加減だ。

自慢は森内名人と将棋を指したこと。弟が同じ大学だったのでそのつてでやることができた。まあ六枚落ちでけちょんけちょんでしたけどね。プロってほんとすごいぜ。

麻雀は高校のころ大嵌り。休みになると麻雀ばかりうっていた(高校生はやってはいけない)。雀荘にもちょくちょくいき、フリーで打つ。好きな戦法は守備系。とにかく相手の手を読んで打つのが好きだった。

麻雀放浪記に憧れ何度かは鉄砲で打ちに行った(お金を持たないで打ちにいくこと)。新宿の雀荘のトイレから逃げたのはいい経験である(懐かしい目)。雀ゴロ気取りだった。鉄砲であることがバレ、ここでは書けないくらい怖い目にあったこともいい経験である(懐かしい目)。今はせいぜいネット麻雀くらいしかしなくなったぞ。

囲碁は一番ヘボ。まあ定石とかもロクに知らないしね。いまだにスマホのコンピューターにけちょんけちょんに負ける。なんだよ、もう。でも年とって囲碁趣味ってのはなかなか楽しそうなんでしっかり覚えたい今日この頃である。


というわけで僕はこれが大好きだ。この本はほんとすげええええええええ。

『盤上の夜』宮内悠介

将棋、囲碁、チェッカー、チャトランガ、麻雀を題材にしたSF短編集。いや自分はすげえと思ったけどこれそのゲーム知らない人にはちょい辛いかも。

「盤上の夜」表題作。四肢のない碁打ちの話し。もうその設定だけでも自分ではどきゅーんである。最後の優しさが刺さる。

「人間の王」チェッカー世界一の男とそれに対決するコンピューターの話。コンピューターは人を越えるのか・・・SFの基本命題ながらとっても楽しめたスリリングな一篇。完全解のあるゲームはゲームでないがその完全解を出してしまうコンピューターに畏怖する自分がいる。

「清められた卓」もう大好き。麻雀は理知なのかオカルトなのか、そこにずるっと宮内はメスを入れる。自分はこれを読んで片山の「ノーマーク爆牌党」を思い出した(麻雀漫画ではいまだに最高傑作と信じている)。ときにオカルトは理知を越える。そしてこの癒しの物語に泣く。「生きるっていうのはどういうこどとだい。記憶を重ねること。そうだろう」この言葉をつぶやく麻雀プロに嫉妬した。

「象を飛ばした王子」この作品集の中では一番ぴんとこなかった。でもそれは僕がチャトランガを知らないからかもしれない。

「千年の虚空」将棋を打つ弟、将棋を駆逐しようとする兄。そして二人を翻弄する女。もうこの設定だけで神話的だ。歴史学から世界を崩すなど神話的な展開も半端ない。ただこれはもう少し突っ込んで書いて欲しかった。この素材だけで長編が書けるとおもうんだけどな。

「原爆の局」ボーナストラック。四肢のない碁打ち有宇のその後と原爆の際に打っていた碁の話。事はなんだと思いますか「9割の意志と1割の天命です」

いやぁ、堪能しました。とくに「清められた卓」は凄いねえ。だって東を切って東をポンするんだよ。僕はこれ大好きだなぁ。

これ以外にもトランプ(ポーカー)やバックギャモンをネタにかいてもいいんでないのってふと思ってしまった。たぶんゲームが好きでない人には対して面白くないかもしれないが、ゲーム好きなら抜群に魅かれる物語である。すげえぜ。

 

ああ、麻雀したくなった。久々にフリーに行くかな。。。

 

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)