様式美こそミステリだ「能面殺人事件」(高木彬光)
昭和のミステリを読むとトリックのあまりな感じに気恥ずかしくなってしまうけどでもそれでも読みたい昭和ミステリ。
『能面殺人事件』高木彬光
きたーーーーーー。古き良きミステリきたーーーーーー。
殺人事件は旧家で起きること。殺人は連続であること。死体のそばには能面が必ず落ちていること。
ああ、懐かしい。ああ、嬉しい。なぜ出版社はもっとこの古色ゆかしい昭和ミステリをもっと復刻しないんだ(理由:一部のマニアにしか売れないから)。
いいね。トリックが物理バリバリなのもいい。そして連続殺人なのもいい。最後のオチもいい。僕は大好き。
ただこれ、あの名探偵、神津恭介はでてきません。そこは少しばかり不満。だしてもよかったのではないか・・・まああとがきを読むとその理由もわかるんだけど。
ちなみにチョイ、ネタバレだけど・・・(あまり明言しませんのでご勘弁を)
メイントリックはクリスティのあの名作。うわ、これ○○だよ!なんだそう来たのか。いや今読むと結構あるネタなんだけど当時は吃驚したんではないのかな。ちなみに今ではそのトリックは書かれすぎているので最初30ページよんだだけでミステリ好きなら犯人はわかるかも(何せ僕でもわかった)。でも、ありありありーーー。最後がわかったっていいじゃないの。もはや様式美ですよ。僕は大満足なのです。
光文社では高木彬光コレクションなるものがあるらしい。これ揃えようかしらん。とそんなことを思ってしまう15の夏です。