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本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

キッツイ本だなぁ「ぬるい毒」(本谷有希子)

時に嘲笑は罵倒よりも堪えるものである。 



『ぬるい毒』本谷有希子

あああああああああああ、嫌だ嫌だ。

いるんだよ、他者を知らず知らずに嘲笑するやつ。しかも嘲笑って言葉があっているんだよね。ほんとあざけ笑う。そんないやーな男とその男の磁力に取り憑かれてしまった女を書いた作品である。

主人公熊田(女子)のところにいきなり見ず知らずの男から電話がかかってくる。男の名は向伊といった。訝しながらも熊田は男にあった。

で、その時から熊田は向伊になんか嫌な気分にさせられるわけ。しかも向伊はその嫌な気分を小出しにしていく。で熊田は嫌な気分になりながらも向伊と付き合ってしまう。

本谷さんの良さって飛び出せ自意識なんだよな。ああ、そこまで考える?もっと気楽にすればいいのにって読みながら思うんだけど、どんどんどんどん本谷さんは悪い方向に持っていくの。でっ読んでいる自分もついつい悪い方向に行ってしまう。「ネガティブな積極性」という二律背反なラインが本谷作品にはあるんだよね。

でどんどん自意識は破裂寸前になり、でもそこは流石に芥川で荒唐無稽な展開にはしない(これ大事)。ただ読者は置いてけぼりのままぐいぐい進む。

この作品賛否あるだろうなぁ。僕は中2病が大人になっても続いているんでこの作品に対しても「賛」。というか本谷作品はなぜかわかりたくないのにわかるっていう嫌な気分を感じられて好きだ。Mの人におすすめだね。






本谷作品はほんと癖があるんでおすすめはしませんが、良かったら手に取ってみるのもありかと思います。というか僕もまだ2冊しか読んでないよ。ちょっと買い続けようかしらん(もう一冊読んだのは「腑抜けども、悲しみの愛をみせろ」これほんとおすすめなのね)。

 

ぬるい毒

ぬるい毒