数学は面白い「浜村渚の計算ノート 3さつめ」(青柳碧人)「ウケる数学」(名取亮)
皆さんの嫌いな数学の話し(一部好きかも)。
うーん、これくらい好き嫌いが分かれる科目ってないのかもしれないなぁ。苦手な子はほんと嫌いだし。自分も今、個別で教えているんですけど(数学は大っ嫌い)、ほんと目が死んでいるんだよなぁ。まず考えようとしない。そして手も動かない。仕方なくパターン認識で解かすって作業になるんだけど・・・・
でも数学の楽しさって自分で「なるほど」って思う楽しさでないですか。あるいは解けたとき「エウレーカ!」って叫ぶ楽しさ。それがないんだよなぁ。悩む。かといって考えてみなってなると全く考えようとしないし。
仕方なくある程度こっちがヒントあげてぎりぎりにラインで考えさせてできたら褒めるという展開。それでいいのかいな。しかもそのぎりぎりがかなり低くてエウレーカにはほど遠いんですよねえ。
好きな子だと結構解けるまで自分で考えようとするんだけどね。そんな子は「教えようか?」って聞いても「待ってください」って言うの。この「待ってください」がなかなか大事なんだよね。
というわけで今日は数学本2冊。
まずはおなじみ浜村渚シリーズ。
『浜村渚の計算ノート 3さつめ』青柳碧人
安定。
ただし今回はちょっと中学生には難しい。logも出てくるしね。このシリーズ生徒に御勧めしているんだけどこれはちょい厳しいかなぁ。
と言いながらlogが出てくる話しが一番面白かった。恋愛ものになるんだけど出色の出来。ただしこれは数学好きな人でないとわからない告白だよなぁ。著者のこれぐらい理解しろがどんどん上にいっているのは笑う。
浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)
- 作者: 青柳碧人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/15
- メディア: 文庫
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そしてもう一冊は
『ウケる数学!』名取亮
モテない青年がバーに行くとそこのママが毎回数学の問題を出すというまあ小説としてはどうなのって本なんだけどそこで出る数学の問題が面白くて好き。
で最初はその青年は問題が解けないんだけどだんだんできるようになってきてそれとともにモテるようになるというご都合主義な展開です。いいんだよ、数学メインだから。
例えばこんな問題。
Aのカード四枚がある。そしてそこから二枚を引くとき、同色になるか異色になるかで賭けをするの。さああなたはどっちに賭ける?
答えは異色のが勝つ確率は高いんだよねえ。
例えば最初ハートのAを引いた場合、そのあと同色になるにはダイヤを引かなければいけない。でも異色になるのならスペード、クラブどっちを引いてもいいというわけ。つまり確率的には二倍で異色になるってわけなの。
モンティホールやフィボナッチ、コンドルセのパラドックスなどが易しく語られるので僕の様な数学テキトー人間でもかなり楽しめます。表紙はアレなんだけど結構面白いよ。みなさんいかがですか。
というわけで問題。
ある食べ物に対しアレルギーな人が1000人のうち35人います。そしてある検査をしますがこの検査は精度が低く、アレルギー体質の80%に対し正しく反応しますがそうでない人にも20%の割合で同じようにアレルギーであると反応してしまいます。
今、ある患者さんがこの検査を受けたところ、アレルギーであるという反応がでました。実際この人はどれぐらいの確率でアレルギーであるでしょうか。
答えは書いてあげない。