本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

古典的二次創作「たけくらべ」(樋口一葉 川上未映子訳)

たけくらべ樋口一葉 川上未映子

悪くない、のである。

もともと僕はうねうねする文体に弱い。うねうね文を読むとなんだかあやしゅうこそものぐるほしき気がしてああ、これはいいなあ、読む麻薬だなぁ、いってしまうなぁとおもいくけけけけとなる。

そんな僕でも樋口の文章は挫折したのだが(だってアレ古文だもん)、今回は川上訳。おお、それなら読めそうじゃん・・・読める読めるよ、ママ!ってわけだ。なるほど、これはありがたい。

ネットだと川上訳にたいする毀誉褒貶多く、とくにノーを突きつける輩もいるのだが(それは川上があまりにも「わかりやすく」書いているからかもしれない)、僕はありだと思うんだよねえ。それに樋口のあのうねうね文は其の儘継承しているしね。これだったら大丈夫ではないかと思うわけ。ってなわけで僕としては川上訳はありです。

閑話休題(それはさておき)

樋口のたけくらべを最後まで読むのは初めてだが読んでなるほど。

これBLじゃねえ?

クールな青年、信如
鼻っ柱の強い長吉
金持ちにしてお坊ちゃま、正吉
貧乏暇なし、三太郎

この四人に遊女になる美登里が加わるのだけど、いやー、美登里影薄いんですけど。

もうとにかく少年4人が、ああ萌、ああああ萌、ああああああ萌。腐女子が見たら喜ぶレベル。「あたしはクールな信如押し」「いや、やっぱ乱暴でもたまに優しい言葉をかけてくれる長吉よね」「優等生には優等生の良さがあるの、やっぱ正吉!」「もう三太郎がみんなに凹られるとこが可哀そうで可哀そうで。母性本能刺激しちゃう」というわけだ。

うーん、たけくらべってかなり腐ってません?

まあ樋口本人がどっちかというと同人誌のような感じで書いていた人だからそれもむべなるかななんだけど。でもそれにしても腐り要素満載だよ。

きっと今ならたけくらべをネタにした二次創作がバンバンでていたと思うのは僕だけではないかしら。

「クールな信如がいつもは強い長吉に対していうのよ、ほら、顔をあげてみなって。で長吉もじもじするんだけど顔をあげたら信如がお前は綺麗な顔だねえ。そのまま服を脱ぐんだよって。キャー」
「いつも攻められている三太郎が正吉を騙して牢屋に閉じ込めるのよ。そしてよくもやってくれたな、坊ちゃんって。で正吉がくがく震えているんだけど三太郎は、坊ちゃん、今日の夜は長いですよって。イヤー、失神するぅ」
「いっそのこと四人が集まるのはどう。四人が肌を合わせていうのよ、お前は綺麗な肌をしているねえって。そうねえ、舞台は美登里のいた部屋なんかどう?」

美登里どこ行った?

4人とも美少年がいいなぁ。それに対し美登里はちょっと女の子っぽいというより大人っぽい設定があうのじゃないかしらん。世の腐女子よ、樋口一葉を読んでみるのだ。思いっきり腐るシーン満載ですから。