もじもじもじもじ「三四郎」夏目漱石
昨今の男子が草食系だとお嘆きの貴兄に送る。
夏目漱石『三四郎』
ああ、もじもじもじもじ。
そもそも発端からしてもじもじだ。三四郎は田舎から東京の大学に上京するのだが列車の関係で相席の女性(きっと小股の切れ上がったいい女だよ)と旅館で一晩を共にするのだ。
ちゃーーーーんす!大ちゃーーーんす!
三四郎がお風呂に入っていると女が言う。「ちいと流しましょうか」それに対し三四郎は言う。「いえ沢山です」
バカじゃなかろうか。
さらに女は三四郎の入っている湯船にくるのだ。そして慌てて飛び出す三四郎。
違うだろ、そこはぐいっと抱きかかえて本宮ひろしばりにセックスだろ(by俺の空)。
さらには女とともに寝るのだがあろうことか三四郎は女と自分の間に蒲団でしきりをこさえてしまうのだ。
バカバカ三四郎のバカ。そこはいくだろ。腰カクカクだろ!
そして夜があけると女は三四郎に言う。
「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」
そりゃーそうだ。三四郎。ソフトオンデマンドだったらそのまま三発は決めているぞ。このヘニャ○野郎め!
そして大学へ行っても三四郎のもじもじが続くのだ。まず基本、女性は美人が二人。サナトリウム的薄倖少女「よし子」、いけている進歩的女性、「美禰子」(ここらへん漱石先生は美人と美少女という絶妙のキャスティングを行う)。しかし三四郎はどちらにもいかない。もじもじもじもじ。バカめ!どっちをとってもよりどりみどり五月みどりじゃないか。いけ!行くんだ!三四郎!
しかし、いかないのだ。
例えば美禰子が「こっちに行きましょう」といって人気のない部屋に誘っても三四郎はキスの一つもしない。そこは抱きかかえてぐーっと行けよ!三四郎。
更にはよし子と二人きりになっても三四郎はいかない。そこはベッド越しの壁ドンだろ、三四郎!しかし奴は薄ら笑いを浮かべ科学の話しなんかをしている。バカ!そこで科学の話しはいいんだよ。それより「好きな男はいるかい」ぐらい言えよ。
挙句、友人の与次郎に「女は恐ろしいものだ」と馬鹿なことを抜かすのだ。この永遠チェリーボーイめ。
まあ終始この本での三四郎の立ち位置はこんな感じである。美禰子やよし子が結構モーションをかけるのだがーたとえば美禰子は絵葉書の返事を三四郎に要求するのだがそれに対し三四郎はしっかりと答えないのだーそれに対し三四郎はいつももじもじしているだけだ。ああ、そうじゃないんだよ。もっと積極的になれ。読んでいるこっちの身にもなれ。イライラする!なんかイライラする(by伊藤あさ子)。
とそんなもじもじしているうちに美禰子の縁談はまとまり三四郎はあっけなくフラれてしまう。っていうかこんな男願い下げだろ。美禰子、三四郎にくっつかないで良かったよ。あんな男と付き合っていたらいつまでたっても手をだしてくれなかったぞ。
チャンスはあったのだ。三四郎さえその気になればいつでもソフトオンデマンドばりな展開は待っていたはずなのだ。なのになのになのに~ああ、このヘニャ○野郎。僕は言いたい。もじもじしている男子はロクなものではないのである。漱石はそれを書きたかっただけなのだ。世の草食系男子よ、お前がもじもじしている間に相手の女性はクラブであった男とワンナイトラブを決め込んだり、黒人のブラザーの腕にぶら下がったりしてしまうのだ。もじもじするな、三四郎になるぞ。それこそが漱石の言いたかったことなのである。
え?違う?
ちがわなーーーーーーーーーーい!!!!