本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

ま行

げーむの楽しさ「盤上の夜」(宮内悠介)

頭を使うゲームが好きだ。 将棋は子供のころからやっていた。好きな戦法は中飛車。でもヘボですぐ守りがおざなりになる。未だに下手の横好きで守れずに爆死ってことが多い。たまに穴熊をやろうとすると完成する前に攻められてしまうというヘボ加減だ。 自慢…

文学史でも説明は難しい「1973年のピンボール」(村上春樹)

文学史の授業をしています。古今東西の名作?を説明。約一時間で明治から現代まで。 あまり真面目にやっても面白くないんで一応軽く物語説明しているんだけど・・・ 「次は夏目漱石の『こころ』ね。これ下宿先の女の子を二人の男が取り合い負けた奴が自殺し…

バブルの頃だから意味があった「ナチュラル・ウーマン」(松浦英理子)

白いってことはなかなか「普遍的」ではないと思ってます。 いや時代に、文化に、雰囲気に・・・それぞれ面白いは変遷していく。いつの時代でも通用する面白さってのはないのではなんて思っているんですよ。 例えば僕はお笑い好きですけど、今見ると当時あれ…

流行ってわけでないけど「火花」又吉直樹

実はけっこう前に文學界で読んだのだが・・・その時は立ち読みで読んだためだいたいなラインしかつかんでなかった。 で、ちゃんと読もう、ちゃんと読もうと思い、購入。ちゃんと読んだのですけど まず結論。芥川でもおかしくないぜ。 『火花』又吉直樹 僕は…

たまらなく80s「永遠の放課後」(三田誠広)

世代というものがあります。懐かしさは人それぞれ。僕なんかはバブル絶頂期に高校生だったんですが(まったく浮かれ八兵衛な感じだよ)、その少し上の世代ってのは結構中途半端な世代なのかなとも思うんです。団塊の世代には程遠い。なんにでも「俯瞰でみる…

宮部はやっぱり面白い「蒲生邸事件」(宮部みゆき)

宮部みゆきってどう思います? 彼女のラインナップでいうと 「火車」「理由」「模倣犯」などのがっつりミステリ系 「クロスファイア」などのSF系 「ぼんくら」「震える岩」の様な時代小説系 と分けられると思うんだけど(それプラス「マサシリーズ」や「今…

ああ酷い「城の中のイギリス人」(A・マンディアルグ)

劇薬小説というものがある。どう考えてもとんでもなく読んでいても汗腺が開き口の中は渇き目は充血、耳鳴りは止まらず、悪寒が止まらず、なんど読むのをやめようかと思う・・・いわゆる非人間的な小説である。血は流れ、筋肉は裂け、液体は浸潤する。皮膚は…

イギリスの変人は凄い「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」(ウェンディ・ムーア)

ジョン・ハンターなる人物を知っているだろうか。 ドリトル先生のモデルになった人で有りながらジキルとハイドのモデルにもなった、18世紀イギリスに現れたブラックジャック、それがジョン・ハンターである。『解剖医、ジョン・ハンターの数奇な生涯』ウェ…

キッツイ本だなぁ「ぬるい毒」(本谷有希子)

時に嘲笑は罵倒よりも堪えるものである。 『ぬるい毒』本谷有希子 あああああああああああ、嫌だ嫌だ。 いるんだよ、他者を知らず知らずに嘲笑するやつ。しかも嘲笑って言葉があっているんだよね。ほんとあざけ笑う。そんないやーな男とその男の磁力に取り憑…

文体で笑え「へらへらぼっちゃん」(町田康)

トイレに行って用をたすときは危険が一杯なわけで、まずは最初便座に座るときに、ああひょっとしたら便座は高熱で温められていて火傷をしてしまうのではないか、いやいやあるいは物凄い低温で座った途端心臓麻痺、すわ危険じゃないかあわわわわ、坐ってまず…

女性作家と男性作家「憧憬☆カトマンズ」(宮木あや子)

二分法は結構穿ったときもあるんだけど・・・ 男性作家は左脳で、女性作家は右脳な感じがしませんか? 例えばミステリでいうところの圧倒的なパズラーは男性作家が多い。女性作家と言われると海外ならクリスティがいるけど日本はちょっと思いつかない。現在…

ノンフィクションはドキドキするね「黒い看護婦」(森功)「子供を殺してくださいという親たち」(押川剛)「ケモノの城」(誉田哲也)

怖い物みたさっていう面で一番怖いのはノンフィクションだと思います。なにー、こんなこと実際にあるんだって思うとそれだけでもやもやもやもや。ああ僕はまだ「まし」な世の中にいるなぁと思ったりして。 ノンフィクションというと新潮文庫の独壇場。正直ど…

鬱度がすごい「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平)

今更ながら「ウシジマくん」です。 あのねー、人間って「こうなりたい」ってものに憧れるんだけど、「こうはなりたくない」ってものを見たくなる一面もあるんですよ。 で この本は明らかに「こうはなりたくない」。 いやーなところをついてくるのが絶妙なん…