本と珍スポと教育と

本について語ります。珍スポットについて語ります。あとたまに教育について語ります。ゆるゆるとお読みください。

さ行

不味いラーメンは不味いんです「伏 贋作・里見八犬伝」(桜庭一樹)

ラーメン屋しか食べ物屋のない村の話し。 そこのラーメンはとっても不味い。しかも主人は不味いことを知っている。でも客はくるしお金も入るのでとりあえず不味くてもいいやって思い日々、不味いラーメンを量産している。 主人は考え方も変わっていて「俺の…

ひどい本三連発「クリスマス・テロル」(佐藤友哉)「殺人鬼教室BAD」(倉阪鬼一郎)「墜落遺体」(飯塚訓)

ここんとこ酷い本ばかり読んでいる。 まあ酷い本を読むのは今に始まったものではないけれどさ。 まず佐藤友哉 『クリスマス・テロル』 自殺志願者の少女が島に流されてそこで男に助けられる。男は27歳。そして島には記憶を無くしてしまうもうひとりの少女、…

さだはすごいんだ「眉山」(さだまさし)

本業が作家でない人の書く本が好きである。たまに太田みたいな痛い人もいるが(マボロシの鳥は痛かった)基本、才気煥発、なるほど本業でもしっかりしている人は文章もいいこと書くのねって思ってしまう。 とくにミュージシャンの書く本はいい。なんだろ、リ…

こんな胸キュンなストーリーが昭和にあったなんて「七時間半」(獅子文六)

こんな本をちくま文庫は復刊させるんだから好き好き大好き超愛しているってなるんだよ。『七時間半』 獅子文六作者は獅子文六。昭和を代表する大衆作家である(今のエンタメね)。まずちくま文庫に感謝。こんなキュートで楽しい小説が残っているんだから昭和…

実験くん~「女子中学生の小さな大発見」(清邦彦)

仕事で中学生に教えていますけど、たまに「よくそんなこと思いつくな」って時もあるんですよ。僕だけではなかったのね、思いついたのは。『女子中学生の小さな大発見』清邦彦 身の回りの疑問と感動から「理科」は始まります。なんとも言えないくらいクスッと…

歌手なのがもったいないくらい「アントキノイノチ」さだまさし

題名はふざけているのに涙止まらないよ。 『アントキノイノチ』さだまさし しかし、これなんか読むとほんとさだは歌手でなく小説家なのではないかと思っちゃう。天は二物を与えるよ、まったく。才能ってすごいね。 主人公は人が死んだあとにその部屋を掃除す…

ドイツミステリを讀んでみる「コリーニ事件」(フェルディナント・フォン・シーラッハ)

ドイツミステリというものがある。半可通(あまり知らないくせに)の僕があえてドイツミステリの特徴を言えば 夾雑物がない なんてことが言えるのかなと思う。犯罪に対し、ストレートに受け入れる。それ以外の「装飾物」を伴わない。あくまでも「事件」だけ…

ミステリはろくでもないから面白い「キララ、探偵す」(竹本健治)「六とん4」(蘇部健一)「左90度黒の三角」(矢野竜王)

ミステリ読みの皆さんに質問。 ミステリってハズレ多くありません? 良くこんな文章で小説書くなとか 良くこんな最後までダルなラインで小説書くなとか 良くこんな陳腐な会話で小説書くなとか 良くこんな内容のないラストだけの本で小説書くなとか 良くこん…

これは奇書だわ「語り手の事情」(酒見賢一)

この本凄いんだけどあまりみなさん読んでくれないなぁって本は有りませんか。 いや凄いんだよとにかく惹きこまれるんだよもうくらくらするんだよそのままくけけけけけって成るんだよって感じなのに周りにはまず人気のない本。 ましてや作者を言っても誰それ…